
【ライオンの強さ、ネズミの強さ】
「柔術のおもしろさは、相手を観察し、自分の特徴を生かして作戦を立てるところにあると思う。これは柔術に限らず、どんな活動にもいえることだ。
ライオンにもネズミにも、人間が見習うべき点がある。
まずネズミは、最高に守りが堅い。攻撃する力はなくても、我慢強さでは一番だ。一匹のネズミが人間の目の前を通って巣穴へ戻ったら、人間がいなくなるまで絶対に出てこない。たとえ飢え死にしてもじっと待つ。我慢強いこと、それがネズミの長所であり特徴だ。
一方、獲物を捕らえる能力が抜群のライオンはどうだろう。彼らはすぐに獲物をしとめることができるように見えるが、むやみに攻撃しない。冷静に待つべきだと知っている。獲物に近づき、とどめをさすことのできるベストな一瞬を待つ。もちろん攻撃力も欠かせない。ここぞという瞬間に、一発で獲物をしとめなくてはならない。失敗は許されないから、最後まで警戒を緩めず、攻撃にすべてのエネルギーを注ぐ。
つまりライオンもまた我慢強い。
しかしネズミとは違ってライオンの我慢強さは、攻撃のためのものだ。ネズミの我慢強さは生き残るため、身を守るためだ。人生の中でも、守りに入ったときと、攻撃に出るときのどちらの場合にも、この我慢が必要になる。忍耐がなければ、たとえ戦略や目標に到達したいという強い意思があっても、うまくはいかないだろう。どんなに予想外のことが起こっても、ライオンがネズミになることは絶対にないし、ネズミがライオンになることもない。それは我慢する目的が違うからだ。
だから、ライオンの戦略とネズミの戦略、その両方を組み合わせて使うことが重要になってくる。
これは人生のいろんな場面に当てはまる。ネズミにならなくてはいけないときもあれば、ライオンにならなくてはいけないときもある。敵をしとめる準備も、生き残る準備もしておかなくてはならないし、どちらにしろ、予想外の事態を覚悟しながら、じっと我慢しなくてはならない。そして、最高の瞬間が来るのを待つのだ。
試合の中でも、パンチが打てそうなときこそ冷静になるべきだ。そして必ず決める。しかし、守りに入ってひたすら耐えているときも、また冷静にならなくてはいけない。そうすれば生き残れる。
我慢にも二種類あることが分かっていれば、人生はもっとおもしろくなるかもしれない。どんな夢を追いかけている人も、どんな立場にいる人も、攻撃のためであろうと、守りのためであろうと、何よりも忍耐が重要になる場面がある。少し待つべきときがある。それは、物事がどう変わるかを見きわめなくてはいけないときと言ってもいいだろう」
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クロン・グレイシーは父ヒクソンの柔術を理解していないもの声もある。それはこの部分ではなかろうか。
いまの競技の格闘技UFCを筆頭とするMMAで要求されるのは「ライオン的強さ」であるのに対し、ヒクソンは置かれた状況によっては「ネズミ的強さ」にもなれる。
もし、ヒクソンがヒョードルらと戦っていたら「ライオン」ではなく、「ネズミ」のヒクソンが見れたのかもね^_^










