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「ヴラディミアもまた特殊部隊の教官だったということだが、こちらの詳細は不明だ。気さくになんでも話すミカエルに対し、軍での経験についてヴラディミアは沈黙を守る。よほど話したくないか、話せない事情があるのだろう。夫人のヴァレリーさんやヴラディミアの母でさえ、何も聞いたことがないとのこと」

「ミカエルは「人間の髪や肉が燃える臭いは、忘れられるものではない」と語る」

「ミカエルは退役してからの数年間、眠れないほどのPTSDに悩まされたという」

「笑い話にできるのは、結果的にうまくいって多くの人が助かったからだ。もちろん、笑い話にできないエピソードもたくさんある」



「いつどこに地雷が埋まり、スナイパーに狙われているかわからない。そういう状況でサバイブしようとすると、自然にそういう感覚が目覚めるんだ」



「「とにかく愛情をもって育てるべきだ」そして「恐怖心を利用して教育をするな」」

「人に教えることで、学びのプロセスは完成する」

「システマは巨大な本のようなものだ。私が読めるのもそのほんの一部でしかない。インスラクターたちもそれぞれ異なるページを読んでいる。だから自分が読んだページにどんなことが書いてあったのかを他の人に伝える必要がある」



「(ブラジリアン柔術を)それでも続ければなんとかなるだろうとクラスに通ったが、一向に上達する気配が感じられない。では他の人はどうしているのだろうと探ってみると、実にシンプルなことがわかった。

練習量が段違いなのである。週に3回、4回は当たり前。ほぼ毎日練習している人も少なくない。週2回程度ではむしろ少ないほうだといえる。柔術で上達できる人は練習量が多い。実に単純だけど揺るがない真実だ。

一般的な武術では週2回がせいぜいで、月に2回ということも珍しくはない。型稽古で自主練できるからという理由もあるが、主な理由は指導者が本業の片手間であるということ、公営の体育館などを借りているという環境面の理由が大きいと思う」

「そもそも武術家に比べてスポーツのほうが愛好家も研究者も母数が多いうえに、才能ある人たちで溢れている」

「僕は現実世界で本当にスゴい人はビジネスシーンにいると思っている。何千人という従業員とその家族の生活を守って決断を下すなど、並大抵の胆力ではないビジネスシーンには、そういう極度のストレスの中で丁々
発止の戦いを繰り広げる人たちがひしめいているのだ」



「システマでは寝てリラックスしきった状態から、一切強張りを作らないように注意しつつ、丁寧に立ち上がる練習がある。立ち上がるという動作の過程で、どれだけの緊張が生じるかを自覚するのが主な狙い」

「筋肉の強張りとは、恐怖心のエネルギーが凝固したものである」と。
だからそれが放出される時、溜め込んでいた恐怖心が一気に噴出することになる。だからこそ、血の気が引いて全身がガタガタえるという、あたかも恐怖に直面した時のような反応が身体に起きているのだ。心地よいだけがリラックスではない。人が奥底にしまい込んでいた恐怖心を手放す時、苦しみが伴う」

「なぜ痛みを用いるのか?
それは、本人にその緊張を捨てることを選択させるためだ」