

「ヒクソンは技術と能力において、他の全ての選手たちに莫大な差を付けているよ」
▼
「まずファンダメンタル(基礎)を重視しているところだ。多彩というより、すごくシンプルな柔術だ」
「ヒクソンの柔術の力点はコントロールにある。だから彼の試合ではスクランブルの展開はあまり見られない」
「もう一つはディフェンス志向の強さだ。守りは自信をもたらしてくれる。絶対に一本取られることがないと分かっていれば、勝ちを確信して試合に臨むことができるだろう。だからヒクソンもポジンョンやサブミッションの逃れ方を強調する」
「そしてヒクソンによる、ウェイトディストビューション(以下「重心移動」)とコネクション(接触)の深い理解だ。この二つの要素こそ、他の全ての道場との大きな違いだ」
「大部分の柔術家が体重の使い方、それを用いて相手の動きをスローダウンする方法を理解していないし、コネクションという考え方も持っていない。そしてこの二つは密接に関連しているものだ」
▼
「マーシャルアーテイストは熱心に練習を続ける限り上達を続ける」
「(40歳になっても戦っていたヒクソンも)加齢とともに身体的なピークは過ぎて、スピードや力、スタミナはどうしても落ちる。それでも実力を維持するために技術の向上が必要となった」
「その際にこれらの考え(重心移動やコネクション)が、あの人にとって重要なものとなっていった」
▼
「ヒクソンは誰より深い水準で柔術を理解している。でも、あの人にとって、それを言葉で表現するのは難しいのだろう。英語は彼の第一言語ではないし、柔術の指導に一番の情熱を傾けることはなかったと思う。ヒクソンの情熱は戦うことにあった」
「競技者なら、一番力を入れるべきは、自分自身であり、考えるべきは最強になるために自分が何をする必要があるか」
「対して指導者は、自分以外の人間に注力する。考えるべきは生徒がベストになるために、自分がいかに手助けをできるかだ」
▼
「ヒクソンは膨大な年月の経験を積み重ねた人だ。確かクロン本人がジョー・ローガン(のポッドキャスト出演時)に話していたと思う。もう50代で怪我だらけのヒクソンが、クロンと練習して2、3分に1回タップさせたという話をね。当時のクロンはすでにきわめてハイレベルな黒帯だったはずだ」
▼
「マーシャルアーツを究める者は、どうすれば自分の身体をできる限り効率的に使うかを考えるようになり、やがて悟る」




コメント