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「「マ」とは虚実のバランス」

「高座に落語家が出てきました。彼は、高座に姿を現わし、中央まで歩いて、座蒲団にすわり、お辞儀をしました。

ただこれだけで、この落語家は巧いか、拙いか見物にはわかってしまいます。たったそれだけの動作、あるかないかの表情、その中にバランスの破れたところがあったら、これはもう拙いに決まっています。

一人二人では鈍感な客も、大勢そろうと一種の連鎖反応が起こるでしょう。群集心理というものは、恐ろしい「勘」をもつものです」



武術格闘技に限らず「間」と「間合い」は大切。私の研究テーマでもある。

話術(新潮文庫)
徳川夢声
2022-04-21