参加者71名。一人ずつ握手して周るとセミナーの内容を選択して欲しいと切り出した。

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カイオ・テハBJJセミナーin名古屋は静かに幕を開けた。

「セミナーはマジックショーではない」

それは未体験のクオリティーであり、

【Technique conquers all (テクニックはすべてを征する)】

噂に違わぬ、そして聞きしに勝るセミナーとなった。


クローズドガード、ハーフガード、ラベルガード。

この中の一つを選ぶ。参加者の選択は僅差でハーフガード。

さらにそのハーフガードの中から三つの選択肢。

選ばれたのはZガード。

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カイオは技を紹介しはじめる。

オーバーフックZガードからハーフバタフライ、そしてスイープ。

四方に向きを変え、ゆっくり、ゆっくりと四回。

「はい、やってください」

え、説明はないの?

「あとから説明しますよ」

・・・。

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関西や徳島、そして広島からも集まった参加者たちも困惑の気配。

私もちょっぴりイヤな予感。

二人一組になり、何度か「見ただけ」の技を再現する。

しばらくして、

「集まってください」

なぜ、説明しなかったのか。

ここがカイオ・テハ柔術の核心部分

「頭を使って考えてほしい」から。

ここからは細部の説明になっていく、オーバーフックZガードからハーフバタフライへの移行、膝の角度、腰の位置、胴体の向き、フォアアームフレームの角度、使い方などを事細かく解説していく。

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「なにか質問は?」

私はクロスフェイスへの対策を質問。

胴体の向き、位置が適切ならばクロスフェイスの効果を減らすことができる。胴体はほぼ横向き、背中をマットにつけていない。フックの膝が相手胴体のサイドをブロック。フォアアームフレームは肘が相手の肘に触れるほどに位置する。オーバーフックも過去やったことがないほど脇を開いて相手の腕を引き出した形になる。

今回のセミナーで紹介された技は主に5つ。

相手スマッシュへ対応、スイープを脚でポストブロックされた時の対応、相手脇差しの位置による変化、さらにバックへの移行と解説は続いていった。

「ガードといってもスイープするのが目的ではない」

「私の得意技はなにか。それは相手がかけされてくれる技」

この理念は「私の得意技がなにか、相手に悟られることなく柔術をやってきた」と語るヒクソン・グレイシーに重なる。

柔術は相手が存在し、そのリアクションを利用していく。

一手一手、相手の重心位置がどこにあるのか、身体を使って説明。

あらゆる姿勢に弱い部分がある。

その方向、それを可能にするタイミングが

「相手のかけさせてくれる技」になる。

中でもバックについた時の相手の重心位置の解説には舌を巻いた。

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「もちろんフィジカルも大切。でもフィジカルを使った練習には限界がある。それでも頭は使える」

「まずは技の原理を理解する。打ち込み練習で身につける。スパーリングで試す。うまくいかなければ、また原理を研究して、打ち込み、検証。これを繰り返す」

「そうやって技の一つ、一つを身につけてきた」

相手がかけさせてくれる技といってもイージーに変化するのではない。一つ一つの技の精度を高めなければならない。

練習中、受け手には全力で抵抗するように指示する。

「それで使えなければ意味がない。スパーリングでは全力で抵抗してくるはずだから」

自らの理念や哲学を織り混ぜての技の解説はまるで授業のよう。

二組ほど選ばれて、参加者の前で技をやってみる。

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「一手目から間違っている」

とすべてを細かく修正していく。カイオの柔術へのこだわりを一番感じたシーン。

「セミナーはマジックショーではない」

「セミナーはみなさんが技術を習得する手助けになるべき」

「いますぐにできなくても、身につけるまでの期間は確実に短縮できる」

「セミナー参加費はそのための対価になる」

セミナーは休憩なしの三時間。さらにカイオの熱量で30分以上延長。

最後に質問応答。参加者からの質問「大きな相手や力の強い相手に技がかからない」

カイオの答えは

「大きな相手、力の強い相手に同じように使えなければ、それはただ単に力でやっていただけで、「技」ではない」

久々に大きな衝撃を受けた。

だからどうしたら使えるのか頭を使って研究が必要であり、その核心を伝えたくてあえて冒頭での解説を控えた。

「柔術は芸術と同じ。それぞれの作品を創造していく」

と結んだ。

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注意)これらはすべて私の要約であり、この記録の責任は私にあることを記しておきます。

PS.東京セミナーの模様
三角絞め研究所