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タイガーマスクのインパクトは凄かった。愛知県体育館は通路、階段までびっしり人で埋め尽くされた。愛知県体育館で様々なイベントを観てきたがこれほどの入りは空前絶後。要するに凄まじい人気だった。


伝説のデビュー戦。なんの前触れもなく突如現れたタイガーマスク。色物と戸惑い場内は失笑。人気のダイナマイトギッドに応援が集まるが、タイガーの動きに徐々に魅了されていく。

タイガー以前、佐山のヨーロッパでの活躍。そのままタイガー。タイガーマスクが佐山だったのではなく、佐山がタイガーマスクだった。佐山でなければタイガーの大ブレークはなかっただろう。

ところがタイガーマスクは人気絶頂でこれまた突如として引退してしまう。新日本プロレスはアメリカ進出の貴重な戦力を失った。


佐山が次に向かったのがUWF。一方で総合格闘技の草分け修斗を設立。

バーリトゥードジャパンオープンを開催。ヒクソン・グレイシーを日本に招聘。「四百戦無敗」の異名も佐山案。

さらに修斗も去る。

もし、佐山がタイガーマスクのままでいたらプロレスはさらなる進化を遂げていたかもしれない。もし、佐山が修斗を立ち上げていなかったらヒクソンは受け皿なく、日本で日の目をみなかったかもしれない。ならば、日本で柔術ブームは起こらず。私も柔術をやっていない。

いまUWF系の選手、関係者による告白本が何冊か発売され活気ある。いくつかを斜め読みしたが、どれも一方の言い分に偏り、検証が十分とは言えない。さらにプロレス界ならではの演出も存在するのでなにが真実なのか誰にもわからないし、わかるはずもない。

では、この本はどうか。類似本より抑えは効いているものの、さほど変わらぬ印象。なのになぜ手に取ったか。

それこそ、「時代の寵児」「天才」佐山サトルの魅力なのだろう。