「土台には「陸上競技=トップスピード」という考え方があります。接地の反発を最大限に利用し、腰・お尻周りの大きな筋肉をしっかり使って出力し、体全体を連動させて動かすことさえできていれば、あとはその出力する方向(前方なのか、鉛直なのか、投てき物なのか)を決めるだけです」


「専門練習で見つかった課題があれば、また基本練習などで声を掛けて落とし込んでいきます。スピード値の高い専門練習で修正するのではなく、基本練習でゆっくりとした動作、ごまかしのきかない状態で修正していく方が効果的です」


「昨今、何本も長い距離を走る「根性練習」の不要論も上がることもある。しかし、「厳しい状態の中で正しいフォームを崩さないように走る」というテーマを持って行うこのような練習は、ただの「根性練習」ではない。

インターハイは簡単に勝てない。どんな選手も倒れるまで練習し、強豪校と呼ばれる学校の選手たちもスマートな練習だけで成長しているわけではない。長い距離の練習が100m、跳躍にとっても「競りあった最後の場面」や「 6本目」で力を発揮できる土台が必要であり、こうした練習量が全国屈指の洛南高校の強さの基礎となっている」


100mスプリント桐生を輩出した強豪校監督の著書。


私は100mスプリントの世界王者こそ、キング・オブ・アスリートと考えている。そのトレーニング方法にはとても興味がある。武術とは目的が異なるため、出力の方法や戦略、戦術は同じではないが、「逆もまた真なり」で参考になる。