暗殺を噂される某国プリンスのインタビュー。
貴重な資料に違いない。
でも、読んでいて複雑な気分になる。当人は文章化を希望しなかったからだ。著者はジャーナリストとしての姿勢を問われるだろう。もしかしたら今回の事案の一因になったかもしれない。
一方、プリンスは知性、教養、ユーモアのある人物で、時の権力者が怖れるのもわかるような気がする。それだけに残念だ。

本人ならず父親も世襲には反対。でも世襲でなければ国を治められず、もし国が滅びて難民を生み出しては周辺諸国の迷惑となるために苦渋の選択を強いられる現状を嘆いている。ベールに包まれた某国のお家事情に少し触れた気がした。

読みたいけど読みたくない。読みたくないけど読みたい。複雑な一冊。