
「私のパフォーマンスは、トリック、暗示、心理学、誤認誘導、そしてショーマンシップでできている」(by同)。
ふと思うのだが、武術とはスポーツよりも手品に近いのかもしれない。武術の「術理」などもトリックと呼べなくもない。もちろんトリックと言っても、習ってすぐできるものから、一流マジシャンのパフォーマンス同様に熟練を要するものまで様々。
「催眠術とは自己啓発本に丁寧に書かれている魔法の台詞のおかげで成功するのではなく、対象者がその方法は効果的だと信じるから成功するのだと気づいた」(by同)。
ある師範(私が直接見た中でおそらくNo.1の技量の持ち主)の技術が不思議でしかたなく、「催眠術ですか?」と質問し「そんな暇ないよ」とお叱りを受けたことがある。
では、「暗示」はどうだろうか。
誰もが権威者や著名人の言動を信じやすいのも暗示の一種。また取り巻く環境も暗示になる。
茶道や華道に作法があるのも、同じ空間、仕草を共有することで、同じ気持ちを共有しようといった願いもあると茶道の大家に伺ったことがある。
ある特定状況を作り上げるなら暗示により、動作に制限をかけることも可能ではないか。
「私が出会った超常現象の信者を見て気づいたのは、誰もが、“出口なき信仰”というシステムを持っているということだった。つまりあまりにも強く「X」を信じているため、「X」を立証できないものは無視される、「X」に当てはまる出来事はすべて拡大解釈される」
「ヒョードルと戦ってもらえませんか」。私の不躾な質問も、この点では大目に見ていただけるのかな(笑)。
武術格闘技の「心」法的の側面を探るのにオススメの一冊(^^)b
メンタリズムの罠 TRICKS of the MIND

著 者:ダレン・ブラウン
販売元:扶桑社
発売日:2013-02-27
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