ブラジリアン柔術は多くの教則本やビデオが出版されている。
これは「試合の戦術」に特化した本。おそらく業界初ではないか。
試合を開始から終了までピリオダイゼーションで、序盤、中盤、終盤に区分。各区分で有利、不利な状況、状態の中でどう考え、どんな技を仕掛けるのかを具体的に解説。
個人的にはビハンインドでのアドバンテージの取り方や、「サイドを取られてる場合の対処法」、「見落とされがちな2ポイントを奪える攻撃」など、とても勉強になった。
試合中、状況や状態は常に変化している。有利、不利など矛盾する要素も刻々と変化している。それらを整理するのにピリオダイゼーションは有効な手段。
人は未知を恐れる。備えがあれば不安は少なくなる。
さらに指針があれば道に迷うこともない。
序盤、中盤、終盤でいかに戦うか、それぞれに有利な場合、不利な場合にどう戦うか。
明確であれば、冷静に試合に取り組める。
試合の緊張感を苦手にする方は克服する一つの材料にもなりそうだ。
オススメの一冊。
「力の拮抗。こちらが1を出せば相手は2を出す、こちらはさらに3を出して対抗する。これが力のインフレーションだ。そうならないように、こちらはどこかで出力を落としておく」(by早川光由)