ノーギも柔術だ。
柔術が競技として普及した今、ギ、ノーギは競技としては当然別のものに違いない。
私が始めた頃はギ、ノーギの区別なんてなかった。先生が今日は暑いからノーギでやろうと言えばノーギであり、普段の練習でもノーギでしかやらないメンバーもいた。また、それを周囲も気にも止めなかった。ここらへんのノリも開放的なブラジルらしくって好きだった。
また始めた頃の日本の柔術には競技もなく、いつもの練習はヒールもスラムもあり、希望すれば打撃もありでやっていた。スパーリングは基本的に時間無制限でどちらかがタップするまでだ。
その後、グレイシー柔術の称号はホリオン・グレイシーが商標登録したことにより使えなくなり、ブラジリアン柔術と呼ばれ、競技も開始された。
スポーツ競技としての普及は安全性が重視される。スラムは無くなり、足関節技はどんどん制限されていった。スポーツ競技化として正しい方向だったとあらためて国際ブラジリアン柔術連盟カーロスの・グレイシー・JRの慧眼に敬意を表する。
ギの柔術は盛んになった。一方、ノーギだって柔術だ。そして足関節技もおもしろい。
これがグラップリングツアーのきっかけだった。
私にとってノーギの柔術。これがグラップリングツアーだ。
当然ながら、当初は名称に「柔術」を使うつもりだったが、日本ブラジリアン柔術連盟応援団(自称)の私としては連盟の意向を伺いながら進めることになる。すると足関節技を使いにくくなってしまう。また他の組み技、レスリングや柔道、サンボなどからの参入もしやすいだろうとの思いから、協力団体と話し合い知恵を絞った答えが「グラップリングツアー」となった。
当時、ノーギのプロイベント「DEEPX」を開催していたこともあり、誤解から「早川さんは柔術を見捨てるのですか」とお叱りの声も受けた。
もちろん私が柔術を見捨てたり、見下したりするなんてありえません。柔術、大好きですから。
私的で乱暴な表現が許されるのなら
「柔術家は足関に弱い」とか「キモノがないと戦えない」との謗りにムカついちゃったんだよね。
グラップリングツアーは私、あくまで個人的には柔術なのだ。参加者数がイマイチ伸び悩んでいるが、これは私の努力不足、不徳の致すところ。がんばります。
グラップリングツアーは今後も続けていきます。柔術家のみなさんでノーギも盛り上げてやってください。チャレンジを心からお待ちしています。