バーリトゥード日記

バーリトゥード日記

ジェントルアーツ名古屋ブラジリアン柔術クラブ(NBJC)代表早川正城の日記です。
(題字:一ノ瀬芳翠)

2015年08月

柔術の核ともいえる技術。相手をブロックするために重要。一方、ある理由から両刃の剣ともいえる。健康に大切な姿勢と武術に必要な姿勢はイコールではないのかもしれない。レベルアップには工夫が必要だ。

色々と気づきを得て情報量過多のオーバーフロー状態。お約束の体調不良もやってきた。月、火、水とスパーリングを休み。昨日から再開。体調不良だと技の研究もままならない。まもなく秋。じっくり研究にはよい季節♪。


姿勢矯正中のせいか腰痛に手こずり四日ぶりにスパーリング。歪みは徐々に改善されているはずで苦手だった右脚の外旋が多少はうまくできるようになってきた。この腰痛と向き合うのも身体の理解を深めるのに結果的に役立つのだ(笑)。

酒を飲むと鳩尾から右肋骨下のあたりが張る。過食しても同じ。この張りで体内のバランスが崩れて腰痛の一因になっているような気がする。いや、マジで(^^ゞ

NBJC白帯。伸びてきてますね〜♪。うん、良い良い(^^)

da218ff6.jpg「科学者の研究なんてね、大部分間違ったことをやってるんです。実際には失敗の連続です。
大発見の前には山のような間違いの積み重ねがある。
どこで間違うかというと、大きくいって二つある。
実験科学の研究というのは、みんなまず仮説を立てて、それを実験で検証していくわけですね。こうなってるんじゃないかなと考えて、本当にそうなっているかどうかを調べる。
その最初の仮説のたて方で間違う可能性がある。これがいちばん大きい。
次に、検証の方法で間違うことがある。こちらは失敗してもやり直しがきくけど、はじめの仮説で間違ったら、もうどうしようもない。
はじめにこうなってるんじゃないかなと考えたときに間違った方向で考えていたら、あとはどんな実験をやっても無意味ですよ。いくらやっても意味あるデータがでてこない。
だけど、はじめに間違った方向に頭がこりかたまっていると、それでも、これは仮説のたて方が誤っていたんだということに気がつかないで実験の方法が悪かったんだと思いこんで、方法だけを変えて別の実験をしたりする」
「ないものをいくら一生懸命さがしても、絶対にないんですよ。いくら頭がいいサイエンティストでも、本来ないものは発見できないのです」(by利根川進)

1990年の初版発売当時に読んでちんぷんかんぷん(笑)。プチマイブームである「精神」や「物質」のタイトルにひかれ、文庫本で再び読んでみる。やはり専門的にはよくわからないものの(笑)、科学者としての姿勢は凡庸な私たちにとってもヒントになる。


精神と物質―分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか (文春文庫)

精神と物質―分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか (文春文庫)


著 者:立花 隆


販売元:文藝春秋

発売日:1993-10

3a90815b.jpg「俊才は絶対に勇者にあらず、智者も決して戦力になり得ず」

戦後70年。終戦の日、前後のメディアはこぞって戦争を振り返った。なぜ日本はもっと早く停戦できなかったのか。太平洋各地での惨敗。本土への大空襲。はては広島、長崎への原爆投下。いくらでも止めるきっかけはあっただろう。すべての判断は大本営なる機関による。
いったい大本営とはなんぞや。そして偶然見つけた本作。第二次世界対戦末期の大本営情報参謀の回想録。

情報の仕事とは

「枝葉末節にとらわれないで本質を見ることだ。文字や形の奥の方には本当の哲理のようなものがある、表層の文字や形を覚えないで、その奥にある深層の本質を見ることだ」(by土肥原賢二)

「フィクションは絶対許されない。不明は不明として、ノンフィクションでなければならない」

そして、情報を読み違えた執行部、大本営の姿が浮かび上がる。だが、勧善懲悪の単純な状況ではないことも読み進むにつれてわかってくる。

メンタリズムの罠」、「コールドリーディング」、「神は妄想である」などの書物を通じて理解できたのは人間は「信じたいものを信じる」性質にあることだ。受け取る情報が何種類かあったら信じたいものを選択する傾向にある。対象が宗教であっても、超能力であっても、超常現象であっても同じこと。
大本営の判断は本来なら客観性を重んじるべきで情緒的な判断が許されるはずはないが、やはりそこは人間の儚さなのかもしれない・・・。

この時代を覆ったのは撤退を良しとしない「空気感」(by猪瀬直樹)。

とかく「空気を読め」などとする現代において企業や学校や社会の組織において、まったく情緒に流されず行動できる人間はどれほどいるのだろう。冒頭の言葉が染みる。

「戦争に負けることは早くから判っていたんでしょう。それなのにどうして今まで戦争を続けたんですか」
戦後、筆者に向けられた質問。同じく軍人であった筆者の父親が答える。
「そんなことを聞くのは筋違いだ、これ(堀)は軍人だったのだ。軍人はあの機関銃で死ぬと思っても、突撃と命令されたら突撃するのが軍人の本分だ。彼らは戦場を捨てることは出来ないのだ」
「戦闘軍人と戦争指揮軍人とは異なっている」

記録を残そうとした筆者にも父親が釘を刺す。

「負けた戦さを得意になって書いて銭を貰うな」

当時の軍人の気概が伝わってくる。この敗戦の記録は現代も様々な業種、職種に活かされるだろう。読み物としてもおもしろい。ただ、読み進むのは日本人として辛い。


大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)


著 者:堀 栄三


販売元:文藝春秋

発売日:1996-05

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