バーリトゥード日記

バーリトゥード日記

ジェントルアーツ名古屋ブラジリアン柔術クラブ(NBJC)代表早川正城の日記です。
(題字:一ノ瀬芳翠)

2011年11月

「芭蕉の一つの句は、本来同時に不易の面と流行の面を兼ねていなければならないということだったのでしょう。古典というものは現代文学とはなれて別にあるのではなく、もし生きている古典というものがあるとすれば、それはつねに現代文学のなかにあるのであり、また、現代文学は、もし、それがすぐれたものであるとすれば、いつか古典となるものです。」(by加藤周一)

柔術も不易と流行を同時に兼ねそなえているべきでしょうね。

鍛練全休で朝からずっと読書にあてる。

加藤周一著「読書術」はもっとはやく出会いたかった。読書のハウツー本は数あれど「読まずに済ませる」方法にはじめて接した。

人は興味を持てる内容しか楽しく読めない。それ以外の本、要するに楽しく読めない本は読む必要がない。

「ある種の本をわかるということと、身につまされるということの間に密接な関係がある」

読書には読む技術の他、「実体験」もしくは「経験」が必要なのだ。

さらに「体験」「経験」なく、むずかしい本と向き合わざるを得ない時も、自身がその情報をどれほど必要としているかにかかっている。

「どうしても必要」ならばどんな困難も乗り越えられよう。

これ読書に限らずあらゆることに当てはまる。


ジェントルアーツ(穏やかな魂)としての柔術を目指す私にとって文中に登場する単語「科学的」「文学的」は考えるヒントになる。

「科学的」とは普遍的で再現性があり誰もが習得可能なこと。

「文学的」とは個性的で主観的。普遍的ではないので誰もが同じように再現できないこと。

柔術の「技術」は徹底的に「科学的」でなければならず、それを行使する心の部分に「文学的」素養が必要になるだろう。

一部の武術の達人の扱う一見不思議に見える技もやはり「科学的」でなければならない。

チンピラがケンカするのも武術武道格闘家が戦うのも行使される技術は「科学的」には変わりない。しかし、なんのために戦うかといった「文学的」素養は違って当然なのだ。

教養も鍛練あるのみ。


読書術 (岩波現代文庫)

読書術 (岩波現代文庫)


著 者:加藤 周一


販売元:岩波書店

発売日:2000-11-16


クチコミを見る

aba91f26.jpg先日NBJCX02で思い立って着てみたハワーズコンバットキモノ。一昔流行った鎧系と呼ばれるシロモノで襟も生地もカチカチで襟を持ち上げればそのままの形で立てることもできる。

以前は毎日こんなキモノを使って洗濯機を一台壊している。

まだ新しい洗濯機を買いたくないんでね〜。

95865378.jpg「人の長所を言い、短所は忘れることよって、長くつきあいができる」(by孔子)

ジブリ→加藤周一から古典に辿り着く。

じっくり精読するつもり。

若い頃は「孔子曰く」だの「老子曰く」だのと格言を話す上司や先輩方をわずらわしく感じてたくせに、この頃ちょっぴり内容が心に染みるようになってきた。

ついでに明かすと好きじゃなかった駄洒落やオヤジギャグが、これまた最近妙にツボにきてる。

・・・ヤバいかも、俺( ̄▽ ̄;)


論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)


著 者:加地 伸行


販売元:講談社

発売日:2009-09-10


クチコミを見る

套路をやっているといつも左から右への移動がスムーズにいかない。

私の場合、股関節周辺に歪みがあり、そこが原因と考える。特に右側。

右から左への移動はわりとスムーズ。

野球では右投げ、右打ち。ゴルフも同様。右から左へのシフトはやりやすい。こんなところもそうだ。

利き手利き足だけが理由と思っていたがそうではないのかも。

左から右へのシフトが上手くいかないのは套路だけではなく、実は歩きもそう。今日、偶然気づいた。

鍛練は日常に密接していればしているほど良い。これからは歩きもちょっと楽しくなりそう。

6f8351f3.jpg最近、プチマイブームの加藤周一作品。

「本は寝て読むもの」

「読書は愛のいとなみに通じる」

読書術は様々な作家が発表しているが、私にはこれが一番良いかも!


読書術 (岩波現代文庫)

読書術 (岩波現代文庫)


著 者:加藤 周一


販売元:岩波書店

発売日:2000-11-16


クチコミを見る
追記:ジュンク堂名古屋駅店で購入。いつもはLOFT店だがネットで検索したら在庫がそこにしかなかったからだ。

本を手に取り、会計へ。レジは青っ白いメガネ小僧。

代金は945円也。

1000円札をトレイに置いた。

そこで、しばし沈黙・・・え、これ、なに待ち??

あれ足りないのかな?と本を持ち上げ値段を確認。やっぱり945円。

「これでいいですか?」とメガネ。

「いいですよ」

「ブックカバーはおかけしますか?」

「必要ありません」

するとメガネは55円をトレイに置くと、プイッとそのまま本を手渡してきた。本屋で印しをつけなければ袋にも入れないのは記憶にない。

「え、そのままですか?」

メガネはそっけなく
「袋に入れますか?」だと。

ちょいとカチンときたんで、もういいよとそのまま手に持って店を出てきてやった。傍からすると万引きしてるみたいだけどさ。

人生は選択だという。相手が可愛い娘なら笑ってすませられたかも。近いからという理由でメガネのレジに向かってしまった私のせいなのだ。



「およそ本を読むときには、誰でもその本のなかに自分を読む」

このページのトップヘ