NBJCではスパーリング中の「クソーッ」「チクショー」等の言葉やガッツポーズを禁じている。

耳にする度、「それ、僕にいってるの?」とたずねる。

「クソーッ」は糞だし、「チクショー」は畜生なんだぜ。

全員「いえ、違います」と答える。

それなら黙っとけよ。

自身への叱咤ならば口に出すまでもあるまい。

日本柔術黎明期、試合のない時代、スパーリングはさながら実戦の様を呈していて腕が折れてもタップしない等殺伐としていた。それはそれで個人的に嫌いではないが、誰もが安全に楽しめる状況ではない。

スパーリングの相手は敵ではない。練習パートナーなのだ。

柔術には危険な技が多い。
それをいま普段、安全に練習できるのはメンバー間の信頼関係があるからだ。

だから、そのパートナーを敬うのは当然のこと。
パートナーへのリスペクトに著しく欠ける振る舞いや、失礼な態度を「悪いマナー」と断定し厳しく注意している。

ガッツポーズもパートナーへの配慮があるとはいえず同様。

楽しくやってもらうのはいい。ダラけたり気を抜いたりするのは危険だ。

プロフェッショナルなイベントでは多少の演出もあってしかるべきだが、ことアマチュア競技会における試合勝利でのガッツポーズは私的にギリギリセーフとしている。といって度を越えたりしたらやはり注意している。

たとえ、どれだけ強くても相手がいなければ武術格闘技は成立しない。リスペクトを忘れてはならない。

逆にいえばリスペクトできない相手と戦うべきではない。

練習といえどバチバチにシバきあって壊しあうやり方もあるだろう、でもジェントルアーツを目指すNBJCではno thank youだ。



追記:あくまで私個人の感覚だが、ノーギと比べてギの方がリスペクトを作りやすいように思う。
人は服装によって気分も変わる。例えるとギはフォーマルでノーギはカジュアルといったところ。フォーマルばかりでは堅苦しいし、カジュアルばかりも締まりがなく、バランスが大切なんだろう。